高校を辞めたいと思ったら|通信だけじゃない!全日制・別の高校へ転校手続き体験談

今の高校がつらい、通うのがしんどい、そんなときに浮かぶのが『辞めたい』という気持ち。でも、辞めたあとどうすればいいの?通信高校しかない?そんなことはありません。私の子どもが実際に体験した“通信じゃない高校への転校”について、手続きの流れや気をつけることを紹介します。

なお、この記事は大阪府についての内容なので、他の都道府県とは少し違うかもしれませんので、参考にしていただき、詳細は各自現在の在籍している学校や教育機関に直接お問い合わせいただくようお願いします。

公立・私立ともに、学期ごとに転校生を受け入れている高校があります

大阪府では、府内在住の高校生に対して転校の機会が設けられており、柔軟に対応してくれる学校もあります。

「今の高校で居場所がない」「なんか違う気がする」――そう感じている子どもたちに対して、
「通信制ではなく、毎日通える高校に行きたい」というニーズにも応えてくれる選択肢があるのです。

大阪府のHPには「大阪府内の高校生に、ニーズに応じた教育環境で学習する機会を提供する観点から、府として、公立・私立高校間(全日制の課程)での転学の機会を設けています(府内に在住し、他府県の高校に在籍している方も含みます。」

大阪府HP 「教育庁教育振興室高等学校課学事グループ」より

学校の探し方|まずは大阪府の公式HPをチェック!

イラスト出典:illustAC/HOLU_WOODさん

転校前に知っておきたいポイント

スケジュールが非常にタイト!
 募集高校の発表から申込締切までが短く、数日で志望校を決める必要があるため、事前の情報収集がカギになります。大阪府のHPで、大阪府で転入生を募集している高校がPDFかエクセルで閲覧できます。ただ、気をつけないといけないのは、

学期途中の転校は不可
 学期ごと(年3回)にしか転入試験は実施されません。

併願はできない
 公立2校、または公立と私立を同時に申し込むことはできず、1校のみ選択する必要があります。

在籍校を通じた手続きが基本
 希望する高校と直接やりとりできるのは、
 👉 願書提出に行くとき
 👉 転入試験を受けるとき
 の 2回だけ。
 それ以外は、すべて在籍校(今通っている高校)を通して行います。

転入学試験に合格する必要あり
 在学校の担任の話によると偏差値的にはやや高めの基準が求められるようです。(入試をクリアした在校生のレベルについていけるくらい)

募集人数は“若干名”のみ
 公式には数字が出ず、定員割れの分だけの募集。
 1~2名程度と考えておいた方が現実的です。

転校スケジュール例(2024~2025年度)

▶ 3学期から転校したい場合(令和6年度)

  • 在籍校との相談期間:12月5日(木)〜12日(木)
  • 希望校への問い合わせ期間:12月12日(木)~16日(月)※在籍校を通じて
  • 願書提出日:12月17日(火)または18日(水)
  • 転入試験日:12月25日(水)または26日(木)
手続き内容 日程(令和6年度)
在籍校との相談期間 12月5日(木)~12日(木)
希望校への問い合わせ 12月12日(木)~13日(金)、16日(月)
願書受付日 12月17日(火)または 18日(水)
転入学考査(試験日) 12月25日(水)または 26日(木)

▶ 次年度(令和7年度)から転校したい場合

  • 在籍校との相談期間:3月10日(月)〜17日(月)
  • 希望校への問い合わせ期間:3月17日(月)~19日(水)
  • 願書提出日:3月24日(月)または25日(火)
  • 転入試験日:3月25日(火)または26日(水)
手続き内容 日程(令和7年度)
在籍校との相談期間 3月10日(月)~17日(月)
希望校への問い合わせ 3月17日(月)~19日(水)
願書受付日 3月24日(月)または 25日(火)
転入学考査(試験日) 3月25日(火)または 26日(水)

我が家の進め方|短期間での学校選び

転入可能な学校リストが発表されたのは、なんと相談期間の1〜2週間前でした。

そこで我が家では、以下のように短期間で志望校を絞り込みました:

  • リストの学校をGoogleマップで位置確認
  • 通学時間や交通手段を調査
  • 偏差値や雰囲気を検索
  • 候補を4校に絞り込み、メモを作成

もちろん、短期間のためオープンスクールや見学には行けませんでした。ですが、それでも転校は現実的に可能でした。

大阪府公式HPリンクはこちら↓
大阪府内の高校への転学について

現在の高校への転校の依頼=在籍校には戻れない!

転校の意思が固まったら、まずやること

転校を決意したら、まずは現在在籍している高校へ電話をして、その旨を伝えます。その後、保護者が学校へ直接出向き、「転校申請書」(正式名称は学校により異なります)を記入します。これは「退学届」のような意味合いを持ち、提出した時点でその学校には戻れなくなります。
※たとえ、転校先の入試に不合格だったとしても、今の学校には戻れませんので、提出のタイミングには注意が必要です。

また、学校で積み立てていた教材費や行事費などの返金手続きについても案内があり、返金先の口座を記入します。

イラスト出典illustAC/ミサカさん

複雑な親心

塾に通わせて、夜遅くまで受験勉強を頑張り、制服やジャージを買い揃えて…たくさんの時間とお金をかけて入学した学校。思い出すと、やはり少し切ない気持ちになります。

でも、「子どもの心の健康が一番大切!」・・・と、自分に言い聞かせて、気持ちを切り替えます。今は、前向きに次の一歩をサポートしていきたい――そう思いました。

通信制高校も抑えよう

イラスト出典:illustAC/I<アイ>さん

通信制高校も視野にいれておこう

先ほども述べたように、転校は「転入試験」に合格しなければ実現しません。
多くの場合、募集枠は「1名」や「2名」と非常に少なく、狭き門です。しっかりと受験勉強をしなければ、合格は難しいと考えておいた方がいいでしょう。

例えば、
「勉強は嫌いじゃないけれど、今の高校はレベルが高すぎてついていけない」というタイプのお子さんは、少し偏差値を落とした学校に転校することで、再スタートがうまくいく場合もあります。

ただし、あまりに偏差値を落としすぎると、学校の雰囲気が合わなかったり、環境面で不安を感じることも。
できれば、現在の学校と大きく差がない学校を選び、短期間でも復習や準備に力を入れることをおすすめします。

※我が家のケースは…

実は、うちの子はほとんど勉強をせずに転入試験を受け、不合格となってしまいました。

通信制高校を「保険」として準備

万が一、不合格になってしまうと、今の高校にも戻れず、「行き先がない=高校中退」という状況に陥ってしまいます。
そうならないためにも、通信制高校を並行して検討しておくことを強くおすすめします。

通信制高校は、個別相談や見学も随時受け付けており、柔軟な対応をしてくれる学校が多くあります。
わが家でも、いざという時のために通信制高校を3校ほど見学しました。
資料請求だけでもしておくと、いざという時に安心です。

安心して!出席日数や成績は転校先にスライドされない

画像出典:photoAC/Yuzoraさん

わが家もまさにそうでした。
不登校が続いて出席日数は足りず、テストも受けていない。そんな状態で本当に転校できるの?仮にできたとして、「進級できるの?」という不安が常につきまとっていました。

でも、転校先の学校に確認したところ——

「現在の高校の出席日数や成績は、基本的に転送されません」

とのことでした。

つまり、これまでの出席状況や成績は、新しい学校にそのまま引き継がれないということ。過去は一度リセットして、新しい環境で頑張れる。これって、転校を考える上でとても大きな安心材料ですよね。

転校に必要な書類について

転校にあたっては、担任に確認したところ、現在の高校から転校先へは「中学時代の調査書+アルファ」。現在学校の成績や、出席日数などあまり気にしなくて良いとのことでした。

今までのことはチャラ!気持ちを切り替えて

うちの子の場合も、これを聞いてようやく「リスタートできる」と前向きになれました。
「今までのことはチャラにして、新しい学校で頑張ればいいんだ!」
この気持ちの切り替えができるのが、転校の大きなメリットかもしれません。

点数が決め手!転入試験は「一発勝負」

イラスト出典:illustAC/福魚さん

転校を希望する場合、転入学考査(転入試験)を受ける必要がありますが、試験日・時間は学校側がピンポイントで指定してきます。
こちらから希望日は出せませんので、指定された日時にしっかりと調整して臨みましょう。

試験の結果は翌日には出ることが多いです。
とはいえ、合否の連絡が直接こちらに来るわけではありません。

まず、現在在籍している高校へ結果が伝えられます。
その後、担任や進路指導の先生、もしくは校長や教頭から保護者へ連絡が来るという流れです。

試験が終わったあと、ドキドキしながら「じっと待つ時間」が続きます…。
この時間が、親としては本当に長く感じました。

合格したら、即日手続き!?

イラスト出典:illustAC/ミミントさん

「もし合格したら、その日の16時までに来てください」

願書提出日、学校から言われたのは――
「もし合格したら、その日の16時までに保護者と一緒に手続きに来てください。」

合格してから行けばいい、とは言え、時間の余裕はほとんどありません!
ちなみに我が家の場合、転校希望先の高校までは電車で40分ほどの距離。
合格の連絡が来たら、すぐに準備して出発しないと間に合わない距離感でした。

当日は有給を取って待機。でも…

もちろんその日は有給を取り、家で待機。
「もしダメだったら無駄足になるし…」と考え、現地近くでの待機はやめて、連絡が来るのを家で待っていました。

でも…一向に連絡が来ない。

時間はどんどん過ぎていき、15時を過ぎたあたりで焦りがピークに。
「もう家を出ないと16時に間に合わないよね?いや、でもまだ何も来てないし…」
――結局、我慢できずに在籍校に電話をしてみました。

私:「あの、連絡って来てますか…?」
学校:「いえ、まだ来ていませんね~。もう少し待ってみましょうか」

結果は…15時31分に判明!

そして、ようやく電話が鳴ったのが15時31分
その時点で、親としてはもうピンと来ました。

…あ、これは…完全に不合格やな


電話口で教頭先生から「今回は不可で、となりました」…

そりゃそうです。うちの子、ほとんど勉強してなかったし(笑)
ショックというより、「まぁ、仕方ないよね」と納得の気持ちでした。
(転入試験を受けた子は2名、枠が1名だけだったかもしれません。)

不合格。でも高校は卒業したい!次の選択は「通信制高校」

画像出典元「photoAC作者:へたれぱんだ」さん

さて、転入試験に不合格だったわが子
でも、「中卒はイヤ」「高校は卒業したい」「あわよくば大学にも行きたい」――そんな思いを持っていました。

そこで選んだ次の道が、「通信制高校への転入」でした。

大阪府在住の方へ:授業料無償化に注意!

大阪府にお住まいの方には朗報です。
高校授業料の無償化制度は、通信制高校でも対象となります。

ただし、対象になるのは「本校が大阪府内にある通信制高校」のみです。
東京などに本校がある通信制高校の「大阪校」に通っても、無償化の対象外となるケースがありますので、ここは要チェックポイントです。


通信制高校への転校手続きについては…

通信制高校への具体的な転校手続きについては、別の記事で詳しくご紹介します。
資料請求の仕方や見学のポイントなど、実体験ベースでお伝えしますので、ぜひそちらもあわせてご覧ください。

おわりに

転校手続きについて、我が家の体験談はいかがでしたでしょうか。

どの親御さんも、わが子の幸せを心から願っていると思います。
だからこそ、「学校にちゃんと通ってほしい」と思ってしまうのも自然なこと。

でも――
学校に行けない子は、本当に苦しんでいるんですよね。

「行かなくていいよ」
この一言をかけるのは、親にとってすごく勇気のいることでした。
でも、その言葉が救いになることもあります。

通信制高校という選択肢

最近は通信制高校が急増しています。
その多くが「転入生」、つまり、不登校を経験した子たちを受け入れているということです。

実際、通信制高校に通っているうちの子の話では、

  • 人間関係がうまくいかなかった
  • 勉強についていけなかった
  • スポーツ推薦で入学したけれど、ケガをした
  • 病気で長期間休んでしまった

など、本当にさまざまな理由を持った子たちが通っています。

髪型やファッション、ピアスなどの自由度が高く
みんなが「いろんな背景」を持っているから、変な同調圧力がありません。
自分らしくいられる場所――それが通信制高校の良さだと感じています。

自分のペースで、自分の人生を

朝がどうしても起きられない、起立性低血圧などの体質を持つお子さんにも、通信制はとても相性が良いと思います。

そして、空いている時間があるなら、ぜひバイトして社会とつながり、友達をつくり、自分の欲しいものを買ってください(^^)/

自分で選び、自分で行動することは、これからの人生の大きな力になります。

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