親が語るN高のリアル|告白!わが子の崖っぷちからの再出発|3学期に(正味2か月で)1年分の学習をやりきった母の奮闘記録

「いよいよN高ライフのスタート!」
そんなキラキラした言葉とは無縁の、我が家のN高スタートでした。

人間関係に疲れ、不登校になり、勉強への意欲もすっかり失ってしまったわが子。全日制の転入試験にも落ち、未来に希望を持つ余裕なんて正直ありませんでした。

それでも、なんとかたどり着いたN高。でも入学できたのは3学期。前の学校での単位や成績は引き継がれず、残された期間はたった2か月

この短期間で、1年生の全単位分の動画授業を見て、レポートを提出し、スクーリングに参加し、テストに合格しなければ進級できない。
まさに「崖っぷちからの再出発」でした。

正直に言います。
学校のレポート、母親の私がめちゃくちゃ頑張りました!
本人のやる気が戻るまで、勉強の進め方を手伝い、動画授業の内容を一緒に確認し、レポートの作成をサポートする毎日。

この記事では、そんな我が家のギリギリN高生活1年目のリアルを、包み隠さずお伝えします。

転入は3学期。単位がゼロからのスタートだった

N高に転入してまず立ちはだかったのは、1年分の学習を2か月で終わらせるという過酷な現実でした。

ネット授業を見る、テストに答える、レポートを提出する。ざっくり多めに見積もっても、必要なのは150時間近い学習時間。1日8時間かけても、1か月では終わらない量です。それなのに、実際の提出期限は正味2か月しかありませんでした。

そして、当の本人はというと……
入学オリエンテーションの案内が届いても、教科書が届いても、まったく手をつけず。
正直、完全に無気力状態でした。

「さすがに中卒はちょっと……」という気持ちがかろうじてあって、通信制高校への転入を決めたものの、それ以降、動こうとはしませんでした。

心が折れた子に「勉強しろ」とは言えない

親としても、心が折れている子どもに「これ、いつまでにやらなあかんよ」とプレッシャーをかけるのは、正直、しんどかったです。

でも、放っておけばこのまま留年→ますますやる気を失う、という負のループに入りそうで……。
だから私は覚悟を決めました。

「とりあえず、この崖っぷち状態から抜け出すまでは、私が一緒にやろう」

正直に言うと、学校のレポート、私がめっちゃ頑張りました!

イラスト出典:illustAC/chiiさん

母親が実際にやったサポート内容

授業視聴、レポート提出が間に合わず、スクーリング参加、オンライン授業の参加がで着なかった場合、どれか一つでもできなかった場合は留年となります。留年したら、同級生と1年遅れてしまう。そして、また1年分の授業料を払わなければいけなくなります。留年もできればしたくなかったし、私はお金を追加で払うのが絶対にイヤでした!

初期設定はすべて私が担当

まずは、学習を始める前の準備から。
N高専用のGoogleアカウントの登録、ZENstudyやSlackへのログイン、動画授業の視聴環境づくり……など、必要な初期設定はすべて私がやりました。

手持ちのiPadを初期化して、通信学習用に1台まるごと準備。
学校からの案内は基本的に親にも届きますが、たくさんある情報から今必要なものだけを整理し、とにかくすぐに学習に取り組めるよう環境を整えました。

手伝う範囲を明確にして分担

サポートするとはいえ、全部を私がやるのは意味がないと思いました。
そこで、「ママも手伝うから、キミはこれとこれならできるよね?」と声をかけ、子どもが自分で達成できる部分を明確にして、役割分担をしました。特に好きな英語はまるまる任せ、苦手な数学や理科を手伝うことにしました。

母はスキマ時間に、動画を視聴しまくった

N高の動画授業は、視聴履歴が正確に残ります。
しかも、動画を順番通りに視聴しないと次に進めない仕組みなので、飛ばすこともできません。

私は、家事の合間や仕事の休憩時間、夕食後のひとときなどを使って、とにかく動画を見続けました

「先が見えない」「まだこんなにあるんかーい」と心が折れそうになることもありましたが、
画面上の“視聴済み”のマークが増えていくのを見るとちょっと励みになりました。

スクーリングは本人が(当たり前ですがw)

イラスト出典:illustAC/I<アイ>さん

1年間分のスクーリングもこの期間に受けなければならないので、そこは本人が頑張って3日間受講してきました。行く前は「だりー」とイヤイヤ行きましたが、そこで友達ができたようで、「帰りにN高の友達とちょっと遊んでいく」と連絡があり、なんだかほっとした記憶があります。

おわりが見えてきたら、本人もがぜんやる気が出てきた!

もう少し、あとちょっと、と終わりが見えてきたころ、「ここ終わったよ、ここも、あと1個。」など、私に報告してくれるようになりました。やはり、終わりの見えないものは、やる気を失ってしまうんですね。目標や範囲を細かく区切ることって、とても大事なんだな、と思いました。

イラスト出典:illustAC/kotoneさん

おわりに

学校に行けなくなった子どもが、新しい環境に移ったからといって、すぐに元気になれる――そんなことは、決してありません。
子どもの心の傷が癒えるには、思っている以上に時間がかかるものです。

私たち親は、毎日子どもの様子を見ては、一喜一憂。
心配したり、イライラしたり、悲しくなったり、安心したり、喜んだり……感情の波に揺れながらも、なんとか支えようとします。

でも、子どもには子どもの人生です。
私たちができるのは、できる限りのサポートをすることだけ。
怒りや不安をぶつけて、無理に変えようとしたって、かえって子どもの心は遠ざかってしまいます。

「この子にはこの子のペースがある」
「私は私の人生を生きよう」
そう考えを切り替えたとき、不思議と子どもの表情も少しずつ明るくなりました。

私が高校の勉強をやり直したこと、期限に追われて必死に一緒に勉強したこと、いつかは良い思い出になるんじゃないかなぁ、と思います。

さて、そんなこんなで無事に2年になったあの子ですが…今度は1年かけて1年分の勉強をすれば良いので、マイペースにこなしています。月ごとに期限があるので、1年分一気にすることを考えたら、楽勝です。一度「ママー、手伝ってー」と言われましたが、キッパリ断りました(笑)

次はN高ってどんな子がいるか、あの子に聞いた内容をお知らせします。

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