黒川温泉の帰り道、目に飛び込んでくる「北里柴三郎記念館」ののぼり旗。
名前は聞いたことあるけれど、どんな偉業を成し遂げた人なのか?破傷風?野口英世とはどっちがどっち?…そんな疑問を抱きながら訪れてみると、日本の近代医学を切り拓いた人物であり、現代の医療にもつながる功績を数多く残したことがわかりました。
黒川温泉・北里柴三郎記念館のある小国町は熊本県と大分県の県境にありますので、行くときはレンタカーを使いましょう!

北里柴三郎:彼の発見が現代の予防接種制度にも生きている

北里柴三郎って何した人だった?
19世紀末から20世紀初頭にかけて世界的に活躍した日本人医師。
破傷風菌は土の中やサビたくぎ、動物の糞便などに存在しています。
特に、屋外で土や泥に触れる機会が多い場所で、傷口から体内に入り込むことで感染が起こります。
一度発症すると致死率が高く、特効薬もないため、北里柴三郎の血清療法や、その後のワクチン開発は現代でも重要な基盤になっています。

現在、「4種混合ワクチン」として、乳幼児定期予防接種に含まれています。
- 世界初の空気中では育たない破傷風菌の培養に成功
- 破傷風の血清療法の確立
- 黒死病と言われた死の病「ペスト菌」を香港で発見
- 福沢諭吉の支援により結核専門病院を設立し治療法の近代化を市民へ広めた
- ほかにも多くの功績を残しています

北里柴三郎ってどんな人だったのかな

- 勉強家
- 「終始一貫」をモットーにしていた
- 研究熱心
- 後進の教育にも力を入れた
- 1853年生まれ、1931年没
北里柴三郎記念館 見どころ
基本情報

- 営業時間 9:30~16:30
- 定休日なし (お盆やお正月は閉館している)
- 入館料 (一般)800円・(小中高生)400円・(小学生未満)無料
- 駐車場あり
- 電話番号 0967-46-5466
生家の一部
北里博士が勉強した机

北里博士が子どものころ毎日拭いた縁側の板の一部が展示されています。

北里文庫(寄贈した図書館)
1916年(大正5年)郷里の子どもたちに北里が資材を投じて設立した図書館です。
中は撮影禁止だったので、写真はありませんが、博士ゆかりの品々の展示があり、関わり合いのあった著名人も含め、年代順に追って学べる資料館となっています。

世界初の成果を支えた培養装置の模型も展示されており、研究者としての息づかいを感じられます。
時間があったら、もっとゆっくり見たかった場所です。

貴賓館
北里が帰省の際に使った家、または賓客(特別に招かれた大切なお客様)をもてなす邸宅として1916年(大正5年)に建てられました。


ドンネル館
映像やデジタルコンテンツを通して北里博士の生涯と偉業を現在に伝える施設。
本物の破傷風菌を顕微鏡でみることができたり、寄贈された1000円札、金杯や銀杯の展示を見ることができます。

北里夫婦の手植えの木

記念館を進んでいくと、仲良く並んだ2本の杉の木が目に入ります。
博士と奥さまが大正5年に植樹された杉、「夫婦杉」です。
まるで来訪者を一緒に迎えてくれるような佇まいで、「ウェルカムシーダー(歓迎の杉)」としての穏やかで温かい印象が心に残りました。

まとめ
北里柴三郎記念館は近代医療の祖となった北里柴三郎の功績を知ることのできる、とても素晴らしい博物館です。
敷地自体はそんなに広すぎることはないので、2時間くらいあればだいたいは見学できます。
また、お子様も連れもたくさんいて、建物の見学や、動画視聴など十分楽しめる内容。
駐車場はたくさんあるので、黒川温泉旅行の際に、ぜひ立ち寄ってみてください。